Azure ADを利用 / SAMLやOIDC認証のリバースプロキシで社内WebへSSO / Webの改修不要でゼロトラスト対応

IDaaS/idPのAzure ADを利用して、テレワークで社内LAN側に設置のWebサーバーにSAML2.0対応のSP機能を持つリバースプロキシ/Reverse Proxy経由でアクセスする場合の構成です。Azure AD アプリケーションプロキシは使用しません。

SP/リバースプロキシの冗長化による負荷分散やマルチリージョン(マルチAZ)での運用も可能です。

 

 

 

 

Azure AD アプリケーションプロキシの未利用

Azure AD のSAML認証機能とSAML認証に対応のリバースプロキシのみを利用します。Azure AD アプリケーションプロキシは使用しないため、Windows環境に依存しない汎用的なWebサーバーへのアクセスをターゲットとした構成が組めます。またAzure ADの認証とは別にSP/リバースプロキシ上でSSLクライアント認証などの独自の認証を設定することができます。

  • idP / Azure AD
  • SP / SAMLやOIDC対応リバースプロキシ

 

Webの改修不要&ゼロトラスト対応

SAML認証対応のリバースプロキシは、「ID認識型リバースプロキシ」として動作します

idPと連携するゼロトラストでの運用となります

 

Azure AD アプリケーションプロキシとは異なり

  • エージェントは不要
  • ターゲットネットワーク側のプロキシコネクタは不要
  • ターゲットWebの改修は不要でSSO
  • ターゲットWebのOSは不問
  • ブラウザのみで利用(プラグイン不要)

のため、「idP」と「ID認識型リバースプロキシ」のみで導入が出来ます。

https://www.mubit.co.jp/sub//products/blue/img2/zero-trust-17.png

 

 

idP(アイデンティティ・プロバイダ)

https://i2.wp.com/techlife.tokyo/wp-content/uploads/2018/07/AzureAD.png?resize=768%2C311&ssl=1

idPとしてはSAMLやOIDC認証に対応した Azure ADの他、TrustLogin、G suiteやCloudGate UNO、HENNGE ONE(旧HDE ONE)、OneLogin、Okta等のIDaaSなどや、OpenAM、Keycloakなどと連携が出来ます。

 

ID認識型リバースプロキシ

SPとしては、SAML/OIDC認証に対応した「ID認識型リバースプロキシ」機能を持つPowered BLUE Reverse Proxy  for SSO/IDaaS」を利用します。

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/pb-vm-3.png

この製品は

  • SAMLやOIDC認証対応のリバースプロキシ機能
  • 代理認証方式でのSSO
  • HTTPヘッダー方式でのSSO
  • Web/Mail/DNS/ftp(インターネットサーバー機能)
  • Let’s Encrypt (フリープラグインで提供)
  • 仮想アプライアンス
  • SSLクライアント認証
  • ひとり情シスでの運用に対応

のリバースプロキシ・アプライアンスです。RockyLinuxやRedHatに対応しておりAzure / AWSなどのクラウド環境や、VMware / Hyper-Vなどの仮想環境でオールインワンで運用することが出来ます。

自社で運用出来るリバースプロキシでは、idPの認証の他にリバースプロキシ独自で、SSLクライアント認証を設定することが可能です。社内LAN側へのアクセスに際して自社のポリシーを個別に適用したい場合などには有効です。

 

 

SP(サービス・プロバイダ)

「Powered BLUE Reverse Proxy for SSO/IDaaS」をSAMLのSP(サービスプロバイダ)として設定します

 

SAMLの設定例

http://wp-sam.mubit.jp/ 以下の指定ディレクトリにSAML2.0の認証を設定する例です

を利用します。

idPとSPにそれぞれ、SAML認証の設定を行います。

 

構成例

ID認識型リバースプロキシでの設定例です

https://www.mubit.co.jp/sub//products/blue/img2/zero-trust-17.png

 

SAML/SP リバースプロキシのWebサイト

例 https://wp-sam.mubit.jp

  • リバースプロキシ上でSAML2.0の認証を行います
  • SAML認証後に、リバースプロキシにより指定のサイトへリダイレクトさせます

例 社内のSharePointへアクセス

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/share-point-2-2.png

 

例 社内のWeb Mailへアクセス

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/roundcube-iphone-1.png

 

ネットワーク構成

ブログのサイトへリレイ

idP –>> SP (Reverse Proxy )https://wp-sam.mubit.jp/blog  –>> https://sni-1.mubit.jp/blog/

 

Webメールのサイトへリレイ

idPSP (Reverse Proxy )https://wp-sam.mubit.jp/webmail/ ⇒ https://sni-1.mubit.jp/webmail/

 

設定構成

以下のようなリバースプロキシ構成での設定例です

例 User ⇒  https://wp-sam.mubit.jp/blog ⇒ https://sni-1.mubit.jp/blog/

例 User –>> https://wp-sam.mubit.jp/webmail/ –>> https://sni-1.mubit.jp/webmail/

 

SP側の設定

Powered BLUE Reverse Proxy  for SSO/IDaaSにリバースプロキシを運用する仮想サイトを作成

例 http://wp-sam.mubit.jp

 

Webサーバの有効化

Webサーバーを有効にする にチェックを入れます

仮想サイトのSSL化

リバースプロキシを運用するWebサイトのSSL化を行ないます。SAML認証に際しては、WebサイトのSSL化が必須です。

SSLのサーバー証明書としては

  • サイトのSSL自己証明
  • パブリックなSSLサーバー証明書
  • Let’s EncryptでのSSLサーバー証明書

に対応しています。

 

WebサイトのSSL自己証明の場合

SSLを有効にする にチェックを入れます

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/B870-saml-2.png

 

パブリックなSSLサーバー証明書の場合

必要情報を記載して「署名リクエストの作成」ボタンで作成したテキストを、SSLサーバー証明書を発行する機関へ送付します。

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2015/12/csr-1.png

  • 「署名リクエストの作成」でファイルを保存
  • 作成された「署名リクエスト」 ファイル signig-request.txt を、公的なSSLサーバー証明書の発行機関へ送付

signing-req-1

  • 公的機関で発行された、サーバー証明書を 「インポート」 します
  • 中間証明書のインポートにも対応しています

SSLサーバー証明書が発行されたら「インポート」ボタン操作でSSLサーバー証明書をインポートします

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2015/12/ssl-import-1.png

 

Let’s Encryptの場合

フリープラグイン機能を利用して、Let’s Encryptプログラムをインポートします

FreeSSLを選択

「インストール」 ボタンをクリック

 

Let’s Encryptインストール後に 「有効にする」 にチェックを入れます

 

リバースプロキシ

作成した仮想サイトにリバースプロキシを設定します

 

例 https://wp-sam.mubit.jp/blog/  —->  https://sni-1.mubit.jp/blog/

 

例  https://wp-sam.mubit.jp/webmail/—>  http://sni-1.mubit.jp/webmail/

 

SAML2.0設定

SAMLのエンドポイントを指定します  例 /

idP側のxmlのメタデータをSPへインポートします

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/b870-saml-13.png

idP側のxmlのメタデータをインポートします

SP側のxmlのメタデータをダウンロードします

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/b870-saml-13.png

idP側で作成のメタデータ(xml)をアップロードします

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/b870-saml-14.png

SAML2.0の認証をかけたいdirを指定します

例 /blog

https://wp-sam.mubt.jp/blog/   にSAML認証が適用されます

グループアクセスでのコントロールが不要の場合には、SP側はここまでの設定です。

https://wp-sam.mubt.jp/webmail/    にSAML認証を適用させる場合も、同様の設定を行います

 

 

attributeの指定

グループでのリバースプロキシへのアクセスコントロールを行なう場合に、attributeを追加で設定します

それぞれのパスに対して、idP側で設定の attribute-value もしくは ロール の指定が出来ます

部門毎やグループ毎などにリバースプロキシへのアクセスコントロールを行ないたい場合には、便利な機能です。

  • 例 営業部・開発部・総務部はidPでリバースプロキシへのアクセスを許可する
  • 例 特定の役職以上はリバースプロキシへのアクセスを許可する

attribute=”groups”    value=”  mbt”  でのアクセスを許可の場合の設定例

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/b870-saml-17.png

 

samlの有効化

設定のSAMLを有効にします

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2019/06/b870-saml-15.png

 

 

idPの設定

idP/IDaaSでSAML2.0をサポートしていれば、Powered BLUE Web for SSO/IDaaSと接続が出来ます。

今回はidPとしてAzure ADを利用します

 

Azure AD の前提条件

  • Azure AD Premium

 

エンタープライズ アプリケーションブレード

自社独自のSAMLベースWebを登録の場合には、[エンタープライズ アプリケーション] ブレードを使用して、アプリケーションを Microsoft ID プラットフォームに接続します。

  • お使いの Microsoft ID プラットフォーム管理者アカウントを使用して、Azure Active Directory ポータルにサインインします。
  • Azure Active Directory を選択
  • [エンタープライズ アプリケーション] > [新しいアプリケーション] の順に選択します。
  • (省略可能だが推奨) [ギャラリーから追加する] 検索ボックスに、アプリケーションの表示名を入力します。 検索結果にアプリケーションが表示されたら、それを選択し、この手順の残りをスキップします。
  • [ギャラリー以外のアプリケーション] を選択します。 [独自のアプリケーションの追加] ページが表示されます。

  1. 新しいアプリケーションの表示名を入力します。
  2. [追加] を選択します。

この方法でアプリケーションを追加することにより、事前に統合されたアプリケーションに似たエクスペリエンスを提供します。 まず、アプリケーションのサイドバーから、 [シングル サインオン] を選択します。 次の画面 ( [シングル サインオン方式の選択] ) は、SSO を構成するためのオプションを示しています。

 

SAMLを選択

① 基本的なSAML構成を選択

idp側のxmlを読み込み

メタデータファイルをクリック

idPに読み込むメタデータファイルの指定(SP側のxmlファイル)

もしくは、以下の項目をxmlの内容に沿って記述します

Azure AD SAML の設定例

SAMLの項目

SP側のxmlの内容に従って、以下の項目を設定します。SP側のxmlファイルのアップロードでの登録も出来ます。

エンティティID

https://wp-sam.mubit.jp/endpoint/metadata

応答URL (Assertion Consumer Service URL )

https://wp-sam.mubit.jp/endpoint/postResponse

サインオンURL

https://twp-sam.mubit.jp/develop-dep/

リレー状態

空欄でも可能

ログアウトURL

空欄でも可能

② ユーザー属性とクレーム

必要に応じて設定

③ SAML署名

idP/Azure AD側のフェデレーションメタデータ(XML)をダウンロードして、SP側に登録します

グループアクセスコントロールが不要の場合には、ここまでの設定となります

Validate

idPおよびSP側の設定が正しければ、「Validate] ボタンをクリックすると SP側のWebページが表示されます。

例 現在のユーザーとしてサインイン

エラーが表示される場合には、メッセージをコピーします

エラーが表示される場合には、メッセージをクリップボードに貼り付けると修正方法が、サジェスチョンされます

エラーを適宜修正して、正常にアクセス出来ればセットアップは終了です。

SAMLアプリケーションにユーザーとグループのアサイン

作成したSAMLアプリケーションを利用出来る、ユーザーやグループを割り当てます

  • アプリケーションのサイドバーで、 [ユーザーとグループ] を選択します。 [<アプリケーション名> – ユーザーとグループ] ページが表示され、割り当てられたユーザーとグループの現在の一覧が示されます。
  • [ユーザーの追加] を選択します。 [割り当ての追加] ページが表示されます。
  • [ユーザーとグループ] (選択した <数>) を選択します。 [ユーザーとグループ] ページが表示され、使用可能なユーザーとグループの一覧が示されます。
  • 一覧から割り当てるユーザーまたはグループを入力するか、スクロールして見つけます。
  • 追加する各ユーザーまたはグループを選択し、 [選択] ボタンを選択します。 [ユーザーとグループ] ページは表示されなくなります。
  • [割り当ての追加] ページで [割り当て] を選択します。 [ – ユーザーとグループ] ページが表示され、追加ユーザーが一覧に示されます。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory/manage-apps/media/configure-single-sign-on-non-gallery-applications/application-users-and-groups.png

 

認証のステップ

①   ID認識型リバースプロキシへアクセス
②   初回のみ idP へアクセス ( シングルサインオン )
③ idPの認証後にリバースプロキシ先のWebサイトの表示

https://www.mubit.co.jp/pb-blog/wp-content/uploads/2020/11/idp-sso-1.png

* SP initiated SAML および idP initiated SAMLに対応

 

 

 

【 idP連携のリバースプロキシからWeb代理認証でのSSO

リバースプロキシの代理認証機能を利用して、ターゲットのWebへSSOを行うことが出来ます

 

ID / パスワード認証の「既存のWebサービス」を

  1. SAMLやOIDC認証のシングルサインオンのメンバーとして構成
  2. バックエンドの「Webサービス」は 改修不要 *1
  3. バックエンドの「Webサービス」は LAN / WAN / DMZ  の任意の場所に設置

に対応で運用する構成です

 

 

*1 サードパーティ製のWebアプリも改修不要でSSO化に対応

 

 

【 代理認証 】

SAML/OIDC認証対応のID認識型リバースプロキシから、既存のWebサービスへ「ID / パスワード」を代理入力&代理認証を行います

  1. ユーザー操作でのWebサービスへの「ID / パスワード」の入力不要
  2. 「ID / パスワード認証」のWebサービスをSSOのメンバーとして構成

 

 

【 代理認証のSSOに必要な機器構成 】

  1.  idP / Azure AD
  2.  SAML / OIDC認証機能のID認識型リバースプロキシ( ユーザー情報の代理入力機能 )
  3.  既存のWebサービス ( Webの改修は不要 )
  4.  ブラウザ(プラグイン不要)

 

 

 

【代理認証でのSSO手順

 

 

 

  1. SAML / OIDC認証対応のID認識型リバースプロキシへアクセス
  2. 初回のみ  idP / Azure AD へアクセス
  3. idP の認証後にリバースプロキシからバックエンドのWebへユーザー情報を代理入力
  4. バックエンドのWebへ自動ログイン

 

 

 

各種Web システムへのSSO

一度の idP認証で、複数のWebシステムへSSOでアクセスできます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SSLクライアント認証 / 多要素認証

 

 

 

SSLクライアント認証でidPやリバースプロキシへの認証を強化

  1. idPとのSAML / OIDC認証
  2. SSLクライアント認証

 

 

HA構成

ロードバランサーでの負荷分散

シングルAZ + ロードバランサーhttps://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/lb-sso-rev-3.png

 

マルチAZでの運用構成

GSLBやRoute53などを利用してのマルチAZでの運用に対応

異なるアベイラビリティゾーンでの運用により耐障害性の向上

  • リージョンA / 東日本データセンター
  • リージョンB / 西日本データセンター

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/lb-sso-rev-2.png

 

クラウドやWAN側に設置のWebの認証を強化

認証対応のリバースプロキシ経由でのみWebへアクセスする運用で、セキュリティを確保します

 

 

idPの費用を抑えたい場合

IdPの費用を抑えてSAML認証で運用したい場合には、Azure ADと同様の機能を持ち、idPの基本機能は無料で利用出来るGMOグローバルサイン社のIDaaSサービス「TrustLogin」を使うことも出来ます。

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/arrow-finger.gif TrustLoginを利用 / SAML対応のリバースプロキシで社内webへ安全にアクセス

 

自社管理でのidp / Keycloakアプライアンスを運用することも出来ます

https://www.mubit.co.jp/sub/products/blue/img2/arrow-finger.gif idP / Keycloak を構築・運用

 

 

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