AWSのEC2のインスタンスから、サーバーのMac Addressを変更することなく同一のままでリストアする方法です。
AWSではENI(Elastic Network Interface)により、VPC内のインスタンスにネットワークインターフェースをアサインしています。
ENIで設定できる内容
- プライベートIPv4アドレス(VPCのアドレス範囲内)の設定
- 固定IPアドレス(Elastic IPアドレス)の設定
- IPv6アドレスの設定
- セキュリティグループの設定
- MACアドレスの管理
- ルーティング情報の設定
リスア後のインスタンスに、ENIを再利用することでIP アドレスやMac Addressをそのまま引き継ぐことが出来ます。
現在の設定内容(引継ぎ前)
- IP=10.0.0.103 / gw=10.0.0.1
- Mac Address 0a:99:41:8f:a2:e3
[root]# netstat -nr Kernel IP routing table Destination Gateway Genmask Flags MSS Window irtt Iface 0.0.0.0 10.0.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0 10.0.0.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 10.0.0.103 0.0.0.0 255.255.255.255 UH 0 0 0 eth0 127.0.0.0 0.0.0.0 255.0.0.0 U 0 0 0 lo [root]# [root]# ifconfig -a eth0 eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 9001 inet 10.0.0.103 netmask 255.255.255.0 broadcast 10.0.0.255 ether 0a:99:41:8f:a2:e3 txqueuelen 1000 (Ethernet) ............ [root]#
操作手順
利用中のインスタンスのENI (リストア後のサーバーでも使うENI ) を、インスタンスの削除後も残す設定を行う
- [ネットワークインターフェース] を選択
- [アクション] を選択
- [終了後の動作を変更] を選択
[終了時に削除] からチェックを外す
例 eni-a537b
- 既存EC2インスタンスを削除します
新インスタンスの作成
バックアップデータから新規インスタンスを作成の際に、プルダウンメニューから保存しておいたENIをアサインします。なお削除したEC2インスタンスと同じサブネットを選択必要があります。
- 例 eni-a537b
Private-IP / Mac Addressが引き継がれたインスタンスが作成されます
引継ぎ後の設定内容
- IP=10.0.0.103 / gw=10.0.0.1
- Mac Address 0a:99:41:8f:a2:e3
[root]# netstat -nr Kernel IP routing table Destination Gateway Genmask Flags MSS Window irtt Iface 0.0.0.0 10.0.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0 10.0.0.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 10.0.0.103 0.0.0.0 255.255.255.255 UH 0 0 0 eth0 127.0.0.0 0.0.0.0 255.0.0.0 U 0 0 0 lo [root]# [root]# ifconfig -a eth0 eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 9001 inet 10.0.0.103 netmask 255.255.255.0 broadcast 10.0.0.255 ether 0a:99:41:8f:a2:e3 txqueuelen 1000 (Ethernet) ............ [root]#
実際の手順
バックアップ・リストア後のイメージから作成の新インスタンスが起動しない可能性も考慮すると、既存のインスタンスをいきなり削除する方法は危険です。
以下の手順での操作が安全です。
1 ) バックアップから作成のインスタンスが「正常に起動」することを確認( 異なるENI )
2 ) 運用中の既存のインスタンスについて、ENIを保持でインスタンスのみを削除
3 ) バックアップから再度インスタンスを作成して、古いインスタンスで使用のENIを新インスタンスにアサイン( 従来のENI )
その他
[削除しない選択] を指定のENI は、当該のインスタンスを削除後もENIは残り課金の対象になるので注意が必要です。